【小樽で創業40年 活魚・活かに・ふぐ・すっぽん・あんこう・寿司・海鮮料理のおたる魚亭 】
おたる魚亭
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活魚を知る

小樽唯一の活魚・鮨専門店。

誤解のないよう言っておきますが、お寿司屋さんでも
このネタはできれば活を使いたいというアワビやホッキなどの素材を
1〜2槽の水槽で扱っているお店や、常時入荷はしないが1水槽に
イカ又はカニだけというような小規模のいけすや水槽は
当店でも製作をお手伝いしたお店もありますので
他店にも設置しているところもあります。

魚市場には毎日近海で採れた新鮮な魚介が上場される小樽で、
なぜ活魚専門店が無いのか、他の鮨店でも扱わない活魚を専門的にこだわるのか。

良い素材ネタが多い為か活魚の文化があまり根付いてない北海道。

瀬戸内や九州などでは商店街のお魚屋さんでもいけすを設置しているところもあり、
自慢の近海の魚を活魚という形で販売しています。

もちろんお寿司屋さんでいけすを設置しているところは多く
このうえない新鮮さをもつ活素材というものが、どれほど美味しいものなのかを
立証されている訳でもあります。

「港町」=「必ずしも新鮮」ではない事を知っているからこそ、
「活魚」を必要とされる環境が出来る訳ですが、苦労する事も多々あります。

熱帯魚を飼っている方なら理解してくださると思いますが
活魚を扱うには毎日のいけすや海水の状態、海水温や魚貝の管理がとても大変です。

当店では、約30種類の魚介類を倉庫を含め5トンの海水で10槽を
魚種別に温度を分けて管理しています。ちょっとした旅行にも行けません。
最近では人口海水を扱うお店もあるらしいですが
当店では人の口に入るものですので、自然の海水を汲んでいます。

中でも最も大事なのは長年の経験による管理です。
トラブルが起きても経験が浅い場合などいけすの魚が全滅して
大赤字になってしまうというリスクを伴ないます。
当店でも最初は失敗の連続でした。

蟹などの海水温は2〜5度ですので、冷却機の電気代も激しいです。
四国や九州から来る魚は15度前後でこちらはヒーター必須です。

おまけに熱帯魚ならば2ヶ月ほどで出来あがるバクテリア濾過も
海水魚では最低でも一年はかかります。
この生物濾過が完成しないと、元気な魚介がすぐに弱って死んでしまいます。
知り合いの板前さんから、「昨日仕入れた活アワビが次の日に全滅してしまった」
などの相談はよくある話で、大体初期の頃は濾過が問題になっています。

技術面では、活造りの魚の捌き方は鮨店の魚の捌き方とはまったく違っており
それでいて、仕入れ原価は鮨種より高額で利益損益分岐点を見た場合に
鮨のほうが儲かるといった構図が、活魚を扱いにくくしているものだと思います。

それでも、それでも!活造りで食べてもらいたいのです。
本当に新鮮なものとは、どのようなものか知っていただきたいのです。

漁の種類により、刺し網漁法など海の中で死んでしまった魚が
市場に並ぶのは昔から現在でもごく当たり前の事です。
当店では、そういう魚が例え今朝揚がったばかりだとしても
自信をもってお勧め出来ません。
当店では、水揚げの時間が早い=新鮮では無いからです。
では、なぜ海の中で死んでしまった魚貝類だと納得できないのか。

最近ではテレビなどでも見ますが、「魚を買うときは
こういう状態のものを買うべし」などと選別の方法を紹介してますが
目の効く板前さんや魚屋さんは鮮度の良い魚を見分ける事が出来ます。

魚により、身の張りや脂ののりなど見る箇所はいくつもありますが
まず第一に見るのは、「使える」か「使えない」かから始まります。

同じ時間に水揚げされた魚でも、海中で死んだもの、陸に揚がってから死んだもの、
この違いが「使える」「使えない」の一番大まかな区切りになります。

活魚店をしていると、目の当たりにしますが、
いけすの中で死んでしまった魚貝の放置より
活〆して冷蔵庫保存した魚のほうが傷みにくい。
逆に言うと、冷蔵庫より海中のほうが
痛み易いという事です。

海中で死んだ魚を仮に6時間放置した状態と
活〆の魚を冷蔵庫で2日保存した状態が
大体同じくらいになります。
貝類は例え冷蔵庫と同じくらいの2〜5度の
海中に1日放置した段階で、既に食す状態ではなく、
まっすぐゴミ箱行きです。

魚は血液と内臓の傷みが早いのは言うまでもなく
血抜きをせず内臓が外されないままの状態に、
海中のバクテリアが食物連鎖を起こす過程での
出来事で自然界では当たり前の事ですが
人が食べるものとしては、望むものではありません。

タコやシャコなど、茹でるものに関しても
茹で上げた後に冷水などで絞めるわけですが、
活きている状態で茹でたものに対し
死んでから茹でたものは、身が絞まりきらず
ペトペトとして美味しいものではありません。

これは魚介類も人間と同じように
死後硬直する訳で、この筋肉質の部分が
身が軟らかくなりすぎて、
茹でた状態でも身が絞まりません。

要するに、死ぬ前に身が軟らかくなりすぎ、
死んでしまった後には硬直してしまう。
その後に身が軟らかくなるという事です。
この筋肉部位の作用が茹で上げ後の
身が絞まらない原因となります。

表1に主な魚の分別として4種類ありますが、
大まかな分類ですので、活〆魚にも後に記載してます
上ランクの釣り物も含めています。

この4種類の魚を表2で表すように、
天然ものか又は養殖ものかなど
基本的な分類を示しています。
表2だけで8通りで、表1と合わせると
1匹の魚に対して32通りの価値が
あると言う事になります。

これらを組み合せたものが大きく分けて
表3のようになります。
国産品又は輸入品の区別は
国産の産地によっても分ける
基準になりますので
ここでは表にしておりません。


主な魚介の分別

基本的な魚介の分別

魚介のランク分け統計
以上の事から鮮度にこだわる当店では海中で死んだ魚は極力選びたくありません。

活魚で仕入れれるものは活〆で食べてもらいたいのが本望です。
実際に「釣り物」と言われる、釣り上げてすぐに血抜きをしたものが
グルメの方には人気があり、この人気の需要と釣り漁法の大変さから
ブランド化され高値で取引されています。

最近では北海道なら北海道No1の旨さで知られる「キンキ」という高級魚が
釣り物ブランド「釣りキンキ」と称してますます高級になり、
さらに羅臼産となれば仕入れの段階で1キロあたり1万円以上します。
更に水産試験場では活魚の輸送実験も始まっています。
どんどん高級化していきますが「キンキ」の活き造りは言葉にならないくらいに旨い!

もちろん活状態より逆に数日寝かせて美味しい魚も多々ありますし
悪くなる寸前が美味しいという方もいます。
が、当店では活魚にこだわるのは、獲れたての素材そのものの本来の旨さが売りです。

活状態でなければ食べる事が出来ない「ほっけの刺身」や
死んだ蟹や冷凍ものによくある赤い皮のついてるぺっとりとしたものと違い
花を咲かせたプリプリ感のある「カニの刺し身」。

ボイルされたタコの刺身とは違い吸盤が舌に吸いつく踊り食い。
鮨店で普通に出てくるイカの刺身とは違った、シコシコ感のある活イカの刺身や
甘いウニも旨いが、海水から獲ったばかりの殻を割り磯の香りと塩味が効いた
自然の甘さを放つ活ウニ。

磯の香りが漂う活エゾアワビやホタテにホッキ貝、カキにエゾバイ貝。
ビチビチと跳ねる魚を〆たばかりの、ギュっと絞まった白身をもつ
ヒラメやソイや黒ガレイ。活状態だからお出しできるカワハギのキモなど
などなどなどなど、言い出せば活魚の素晴らしさはキリがありません。

このような素晴らしさを持つ活魚だからこそ管理が大変でも
利益が鮨店より少なくても、活魚をやめる事なくこだわり続ける理由であります。
もちろん多店舗展開などは、いけす管理の目が届きにくくなりますし
北海道市のようなデパートの催事にも誘われますが、即席のいけす設備では
完成に1年以上かかる生物濾過も出来ていない為に活きの良い素材を
ご提供する事が出来ない為にお断りしております。

このような環境の為、是非当店まで足を運んでいただき
活素材の本来の旨さを味わっていただければ幸いと思います。



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